空き家と相続の関係性。

いつもあるある不動産をご利用いただきありがとうございます。あるある不動産の浅田と申します。

いま、日本中で大きな問題となっているのが「空き家」と「不動産相続」の問題です。そこで、あるある不動産では、みなさんがお住いの地域でも例外ではない「空き家」と「不動産相続」の問題をシリーズ化して、わかりやすく丁寧にお伝えしていこうと思います。

第1回目の今回は、「空き家と相続の関係性」についてお届けできればと思います。

「空き家」と「相続」

「空き家」と「相続」は一見関係のないように思えますが、実は深い関わりがあります。というのも空き家オーナーとなる原因の多くが、相続によって発生するためです。

平成28年に全国宅地建物取引業協会が実施したアンケート調査によると、空き家オーナーとなった理由で「相続」と回答した人は、全体の48.2%にもおよび、全体の約半数を占めていることがわかります。

 

なぜ相続で空き家オーナーとなるのか?

なぜ相続によって空き家オーナーとなってしまうのか?

理由は簡単で、都心部への人口流出が大きく関係しています。多くの若者は進学や就職のため、田舎を離れて都心部へと居住拠点を移します。大学を卒業し、都心部の企業へ就職する人が大半で、そのまま家庭を持ち、マイホームを購入します。

そういった背景のなか、実家で暮らしていた両親が亡くなったとして、田舎へ戻り実家を継ぐ人がどれほどいるでしょう?

ほとんどの人は、そのまま都心部での生活を選択するのではないでしょうか。そうなると、誰も住み手が居なくなった実家は、空き家となってしまいます。

このように相続による空き家問題は社会現象にもなり、相続した家族だけでなく、近隣までも巻き込む問題へと発展する可能性があります。

あなたの実家、本当は誰のもの?

みなさんは自分が将来相続するかもしれない実家が誰の名義になっているのかご存知でしょうか?

父や母の名義なら相続する際に問題ありませんが、もしも違う人の名義だった場合トラブルにつながる危険性があります。

比較的よくある問題として、以下のようなケースがあります。

  • 実家には父が住んでいたが、実は実家も土地も父と伯父の共有名義だった
  • 父が借金をしており、土地と建物に抵当権が残っていた
  • 以前実家を増築したが、不動産登記の申請がされていなかった
  • 土地も建物も亡くなった祖父の名義のままだった
  • 建物は父名義だか、土地は知らない人の名義だった

上記のケースは、決してレアな問題ではありません。これらの問題の多くが、土地と建物が明確に誰のものかハッキリしていないことです。

普段から調べようと思えば、誰でも簡単に調べることができる内容のものばかりなのですが、わざわざ親の不動産を調べる人は少なく、これらの問題が発覚するのは、親が他界して相続の手続きをする段階になってからです。

もし不安になった方は、最寄りの法務局へ出向き、登記事項証明書(全部事項証明書)を取得すると、所有権移転、抵当権の設定などの記録がすべて記載されています。

不動産が負動産になっていませんか?

少子高齢化が進んでいる日本では、地方や田舎を中心に不動産が売れにくくなっている傾向があります。

これは人口が減少気味になっているみなさんの地域も例外ではありません。

またこのように借り手や買い手がいない、財産的な価値が極めて低い不動産のことを「負の動産」と呼び、負動産をどのように管理するか多くの人を悩ませています。

もし負動産を所持してしまったら

借り手や買い手がおらず、今後住む予定もない、財産的な価値が低い負動産は、できれば早めに手を打ちたいものです。

手元に残しておくことで1年ごとに固定資産税は払わなければなりませんし、しっかりとメンテナンスをしないと、どんどん家は老朽化していき、手の施しようがなくなってしまいます。

思い入れや愛着のある家ではありますが、管理がいき届かない空き家になってしまえば「特定空き家」に指定され、税金を多く支払わなければならないこともあります。

では、どのように処分するか。それは地元の不動産会社などの「専門家」に相談をすることです。借り手や買い手がつきづらい物件でも、その道のプロである不動産業者はその地域に合わせた不動産活用の提案を行なってくれます。

現在、地方自治体が取り組んでいる空き家バンクなどのシステムも注目を集めていますが、地域によっては、不動産知識に乏しい一般の行政職員などが運営や案内を行っている場合があり、利用者へ適切なアドバイスや対応が行われていないこともあるようです。

このように専門性の高い不動産取引に関しては、先ずは地元の不動産会社に相談をし、適切なアドバイスを得ることが最善の策だと考えます。

その他にも、負動産は実家を相続することで所持してしまうケースも多いことから、相続そのものを放棄する手段も対策の1つになります。

ただし、相続放棄をする場合は、その他の財産もすべて放棄することになるので、しっかりと考えて決断しなければなりません。

では、もし空き家になってしまったらどのようなリスクがあるのでしょうか。
次回の記事では、空き家オーナーになりやすい人の特徴や空き家のリスクをお話いたします。