長崎県波佐見町三股郷にある、工場付き中古住宅をご紹介します。
川が三つに分かれていることから名付けられたここ三股郷は、かつて磁器の原料である陶石が発見されたことから本格的な磁器窯が築かれ、江戸時代を中心に波佐見窯業の主要な場所として栄えました。現在でも三股郷には多くの遺跡が残り、歴史と自然が共存するのどかな地域となっています。
建物は全体的に経年劣化による傷みや雨漏りなどが見られるため、そのままお住まいいただくのは難しそうですが、リフォームやDIYで自分好みに改修したり、イチから新しい活動の場を作ったりするのも楽しそう。
裏の工場や畑、少し離れた倉庫をまとめてご活用いただける方を募集します!

目次
ルームツアー
下の画像をクリックして動画で全体像をご確認いただけます。(※再生すると音声が流れます)
高画質でのご視聴は“こちら”からご覧ください。
敷地までの様子

物件近くのカーブの様子。こちらのカーブを更に登っていくと、中尾郷に抜けることができます。
金毘羅神社の鳥居の側には、乗合タクシー『のんなっせ号』の停留所がありました。

近くを流れる小川が、太陽の光を浴びてキラキラと光っています。

三股地区名物の波佐見焼で作られた番号札。物件はこの17番の札付近になります。

こちらの石積みとブロック塀で囲まれた建物が、今回ご紹介する物件です。
上空からの様子
自然が豊かでゆっくりとした時間が流れる三股郷。
今回ご紹介する物件の周りも多くの緑に囲まれていて、山から差し込む太陽の光がとても心地よかったです。

今回の物件は、宅地が3筆と裏の畑が付属します。母屋から少し離れた場所にある倉庫も今回のお取引対象です(築年数や面積などの詳細は備考欄に記載しています)。
敷地いっぱいに建物が建っている様子がわかります。裏の畑にはバナナの木が植っているそう。
屋根

屋根のセメント瓦は全体的に劣化が見られます。一部大きく崩れている箇所があり、ここから雨漏りもしているようでした。屋根の修理は必須になりそうですね。
上水道配管図

母屋の方には前面道路から上水道が引き込まれていますが、少し離れた倉庫の方は引き込みがされているかわからない状態です。下水道は未整備のエリアとなっています。
建物外観

母屋外観の様子。建物前には駐車スペースもあります。
建物は昔ながらのつくりで、ところどころに傷みが見受けられます。
歴史を感じる石積みは、堂々とした佇まいです。一番高いところで2mほどの高さがありました。
駐車場
建物前の駐車場は2台ほど車を止めることができそう。入り口の門柱で左右が少し見づらいため、出られる際は少し注意が必要です。
倉庫、トイレ

こちらは建物前の倉庫の様子。現在は木材が打ち付けられていて、シャッターは開かないようになっています。倉庫内にも残置物があるようです。
倉庫の隣には屋外トイレがありました。建物の側面に木のドアが見えますが、その中にも残地物がありました。
こちらの建物も年数が経っているため、ドアが開閉しにくい印象でした。

トイレは小便器と和式をあわせて3箇所。汲み取り式になっています。
間取り
母屋の間取りは4Kタイプ。工場と納屋も母屋と一体の建物となっています。

裏口、和室10畳 → 玄関土間 → 和室15畳 → 和室10.75畳 → 洋室6帖 → 台所 → 洗面室、浴室 → 工場入り口周辺 → 工場 → 納屋の順にご紹介いたします。
裏口、和室10畳
裏口土間の様子。こちらから縁側を介して和室10畳に行くことができます。床は所々たわんでいて、ブワブワとした印象でした。
縁側の奥には収納もありました。

立派な造りの10畳の和室。欄間や床柱に当時のこだわりを感じます。
漆喰の塗り壁に、艶のある天井。置いてあるタンスや装飾品などは、そのままの状態で引き渡されます。

畳も全体的に劣化が見られ、一部には黒いシミもありました。取材日前日に雨が降っていた影響でしょうか、濡れた箇所もところどころ見受けられます。
玄関土間

玄関正面の様子。左に見えるのは納屋の入り口です。
玄関を入ると奥の出入り口まで土間が続きます。室内には陶磁器がたくさん残されていて、こちらも現状のままのお引き渡しになります。
昔ならではの“がいし引き配線”が見られるのも古民家の特徴。随所にある太い梁は重厚感がありますね。

段差を上がるのに、この踏み台がいい仕事をしてくれます。
和室15畳

玄関土間を上ったところにある15畳の和室。雰囲気の良い造りになっていますが、全体的に傷みや劣化が見られます。
十字に組まれた立派な梁。レトロな掛け時計も風情があります。

雨漏りの影響なのか、ゴザの一部が濡れていました。
和室10.75畳
お隣の和室は特に劣化が激しい様子。雨漏りなどの影響により天井が下がってきています。
木部の腐食や畳の傷みも目立ちます。
洋室6帖
こちらの部屋は奥まった場所にあるため、少し暗い印象でした。食器棚などもそのまま残されます。
台所

こちらは台所の様子。傷みが激しく、そのままで使用するのは難しいようです。
雨漏りの影響で、天井の板が剥がれ落ちていました。
床も天井同様、かなり腐食している状態です。
洗面室、浴室
洗面台はコンパクトなタイプのものが設置されていました。

桃色のタイルで可愛らしいですが、全体的に汚れや傷みが見られます。動作未確認のため、そのままご使用いただけるかは不明です。
工場入り口周辺

玄関土間の奥から工場へ続く出入り口の様子。こちらも屋根の一部が剥がれていて、全体的に腐食が目立ちます。

湿気の影響もあってか、納屋の一部も崩れかけているようです。
製陶所時代に使われていたのでしょうか、敷地奥の貯水場のような場所もありました。
工場

こちらは工場入り口の様子。桜の模様入りのすりガラスがなんとも可愛らしい。

母屋と同じくらいの大きさで、工場としては程よい広さなのではないでしょうか。
当時のものがそのままの状態で残されています。焼き物の窯が2基残されていますが、ご使用いただけるかどうかは不明です。
昔の校舎のような、ノスタルジックな空間が広がっていました。

この立派な梁がいろんな時代を見守ってきたのだと思うと、なんだか胸が熱くなります。

躯体には鉄骨も使われていました。この梁も力強い。
屋根が剥がれている場所には植物が自生しています。
工場の隅には、製陶所時代に活躍した匣鉢やハマが山積みになっていました。今は静かに体を休めているようです。
納屋

こちらは玄関横の納屋の入り口。大きな扉の引き戸になっていて、現在は手前に物が置いてあるのでこちらから入るのは難しそうでした。

納屋の中には、素焼きの焼き物やお家で使っていた物などが多く残されています。片付けると、広い空間としてお使いいただけそう。
工場同様こちらの納屋にも鉄骨が使われていて、サビや劣化も見られます。
壁のトタンや屋根も崩れていて、いたるところが外とつながっている状態です。
2階に続く鉄骨の階段。登った先には床が無いのでご注意を!
小屋裏の様子。奥まで続く大空間となっています。強度は少し心配ですが、床板が張ってあるので物置としてもお使いいただけるかもしれません。
倉庫(離れ)
母屋から少し離れた場所に倉庫があります。石積みの高さは2mほどありました。
入り口の電動シャッターは、現在壊れていて開かない状態です。こちらに置いてある荷物も現状のまま引き渡されます。
もう長い間使われていないので、所々傷みもあるようです。棚の奥にもう一部屋ありますが、現在はドアが開かず中に入ることができません。
農地部分

先ほどご紹介した倉庫の前の坂道を登ると、付属する畑にたどり着きます。道幅は2.8mほど。

結構な斜面なので日頃の運動不足解消にはもってこいです。ありがたい。
こちらの斜面一体が付属する畑になります。この場所からは工場の裏側を見ることができました。

バナナの木も大きく育っています。草が生い茂っていて、現状では奥まで進むことはできませんでした。

工場の煙突には植物が巻き付いていて、製陶所としての役目を終えてからの時の流れを感じました。
三股郷の魅力
ここからは、自然豊かな三股郷の魅力についてご紹介していきたいと思います。
▼白山神社▼
三股郷には神社が比較的多く点在しており、その中でも最も山頂に近い場所にあるのがこの白山神社です。
色々と調査してみると、かつてはこの神社でお祭りも開かれていたとか。車が通らない細い道を歩いて行かないと辿り着かないのも、神秘的な要素の一つかもしれませんね。

取材当日は山々の紅葉も見られ、地面には真っ赤な紅葉の絨毯が敷き詰められていました。

自然の中にひっそりと佇むお社。昔からこの地でみんなを見守ってきたのかもしれません。
▼間府池▼
こちらの洞窟は、陶石採掘のための発破によりできたとのこと。三股郷の歴史が今もこうやって見れるのは良いですね。

太陽の光が差し込んでなんとも幻想的です。
▼三股郷の植物たち▼
三股郷で見つけた可愛らしい植物たち。歴史と共に生きる三股郷を華やかに彩っていました。
まとめ
今回の物件はいかがでしたでしょうか。
波佐見窯業の始まりを支えた三股郷。今回ご紹介した建物にも、その歴史の一部を垣間見ることができました。
腐食や傷みなどが多く、建物をそのままご使用いただくのは難しそうですが、立派な梁や柱を活かしてのフルリノベーションや、広い宅地を活かした新たな活用をするのも面白そう。
まずは、波佐見焼きの歴史香る、ここ三股郷の雰囲気を感じに来てみませんか。
360度ルームツアー
【外観】
【内観】
●下記の国土交通省ページにて、物件付近の「防災情報」や「周辺施設情報」「取引価格情報」「人口情報」などをご確認いただくことができます。