放置空き家の原因とデメリット。
では、なぜこの空き家は増加し、社会問題化するのでしょうか?原因は大きく3つに分けられます。
空き家問題の3大原因
【原因1】少子高齢化による問題。
不動産の持ち主が高齢になり老人ホームに移住して、元の家がそのまま残されてしまった場合や、所有者が亡くなっても相続人がいない(不明)といったケースもあるのです。また遺産相続する家族が多すぎて、中々全員の合意が取れないことが原因で、家が放置されっぱなしになるケースもあります。
【原因2】新築偏重の日本の住宅市場。
日本では戦後の住宅難の時代から高度成長期にかけ、住宅の量を確保することを目的に住宅政策がとられてきました。現在も新築住宅の供給は増え続けていますが、人口減少に転じた今は供給過多になっています。「人口は減り続けているのに、住宅は増え続ける」これも空家増加の原因の一つです。
【原因3】「住めない」「売れない」「貸せない」三重苦物件
放置された空家は、時間の経過とともに老朽化していきます。いざ、その不動産を処分しようと思った時には、老朽化により売ることも貸すことも出来づらく、手遅れになる場合が多いようです。家を解体し売却しようとしても、解体費の捻出や解体費用分の値引きもあり、希望する価格で売れないため、空き家をそのままに放置するケースが多くあります。
このように、様々な原因が絡み合う「空き家問題」ですが、空き家を放置することによるデメリットも沢山あります。空き家をそのままにしていると、取り返しがつかなくなることも。それでは、空き家を放置することによるデメリットを見ていきましょう。
放置空き家のデメリット
【雑草】
放置状態が続くと管理がおろそかになり、敷地に自生した雑草で覆われます。ツルなども建物へ伸び、除草作業も大変になります。
【税金】
所有する土地・建物には毎年固定資産税・都市計画税がかかるので、毎年の出費もかさんでいきます。
【犯罪の温床】
草が伸びて、軒下や物干し竿にはクモの巣がびっしりと張っている状態ですと、空き家であることが分かり、空き巣や不法投棄をされる原因となります。
【放火】
ここ数年、全国の建物火災での出火原因の第1位は「放火」、第2位は「たばこ」で、特に空き地及び空き家から出火した火災は、放火によるものが多数あります。
様々な悪影響をもたらす空き家は、そのままにしておくと所有者自身への負担はもちろん、景観悪化による活性化の阻害、風評被害など、まちや近隣住民へ及ぼす影響は計り知れません。安易に「管理が面倒」などの理由で放置し続けると、犯罪の温床になったり近隣住民へ迷惑をかけてしまう場合があります。
まとめ
今回ご紹介した「空き家問題」ですが、所有者にとってみれば寝耳に水のような話かもしれません。今後は、社会活性はもちろん、後々のトラブル防止、延いてはご自身の為にも、ご所有不動産と向き合っていきたいものです。