古民家をDIY&リノベーション。
波佐見町空き工房バンク登録物件の賃貸契約が決まり、そのお取引きとリノベーションをあるある館でお手伝いさせていただきました。今回は、こちらのリノベーション状況をお伝えします!
昭和37年に建てられた木造平屋建ての日本家屋。建物の老朽化により、雨漏りや壁の剥がれが見受けられましたが、今回は貸主の費用負担で修理を行い、賃貸されることになりました。昭和48年にキッチンや納戸部分が増築されており、旧家屋部分に使われたナチュラルな素材と、増築部分に使われた人工的な素材が時代の流れを感じさせてくれます。
▲昔ながらの泥で瓦が接着された「土葺き工法」。現在の工法と違い、徐々に瓦がズレ落ち雨漏りが発生することのあるこの工法。天井部分も雨漏りによって剥がれ落ちていました。
▲経年劣化により傷みの激しい部分や、取り替えないといけない部材が多々ありましたが、素材をうまく活かせそうな、ポテンシャルの高い建物でした。自分たちで修理・改修できるところはDIYで、設備や躯体に関わる専門的な知識が必要なところはプロがやる。もちろん費用的なメリットもありますが、何と言っても自分好みに仕上げることができ、自分たちで造り上げた時の達成感は何ものにも代え難いものがあります。
改修するにあたって、特に注意した点は?
今回、棟梁としてリノベーション工事を担当したあるある館スタッフの小村さん。改修にあたって特に気を使った点は「柱や梁などの取り合い」とのこと。取り合いとは、レトロな建物には必ずと言って良いほどある「歪み」による調整が必要な部分や箇所のことです。壁や傾斜のある天井へボード(下地材)を張る際に、歪みの影響で隙間ができやすくなりますが、丁寧な作業・調整を行うことで、美しく仕上げることができます。これからも「丁寧な仕事」を心がけていきたいと小村さんも語ります。
工 務
小村 将弘
プロのアドバイスのもと、DIYで空間が作り上げられます。
▲DIYでの作業風景。プロのアドバイスのもと、漆喰やニスなどを塗る作業はお施主様が全て行われました。大変だけど、自分で作り上げるメリットはたくさん!
それでは、これまでに出来上がったリノベーション事例を見ていきましょう!
▲梁を見せるために、もともと張られていた天井は取り外し、スラグボードを壁材として使用しました。断熱材も新たに設置することにより断熱性能もアップ。
▲写真(左)の右の合板部分は、もともと障子で間仕切られていましたが、利用頻度が少ないため壁を張ることに。壁を設けることにより強度と断熱性もアップ。こちらもお施主様によるDIYです!
▲室内の壁は白で統一され、清潔感のある仕上がりに。一部の床は既存のものがそのまま活かされています。
▲新しく張り替えられた床はお施主様がチョイス&施工!12mのラワン合板でローコストでスタイリッシュに仕上がりました。もちろん断熱材も施しており、断熱効果アップ。
▲照明はスポットライトやペンダントライトにも対応できるようダクトレールを採用。
▲もともと壁材として張られたベニヤに、白の水性塗料を塗装。もともと通路だった部分にはOSB合板が張られ、今風の仕上がりに。
▲そのまま活かされたフックや泥壁が“リノベーションの良さ”を表現します。
▲建具もうまく活かされ、お庭の緑が映えます。
▲工房部分はコンクリート仕上げに変更し、作業性をアップしました。
▲もともと使われていたトンパンもそのまま再利用。
少しずつではありますが、現在もお施主様によりDIYが進められています。今後の展開が楽しみです!
今回ご紹介した物件のお施主様「studiowa2」のお二人です。可愛い動物や模様などが描かれたstudiowa2さんの作品。
飯碗やマグカップといった日用食器や、花瓶やプランターなどの作品をお作りになられています。今回紹介したアトリエ・事務所・ショップからこの作品達が生み出されていきます。ぜひ皆さんチェックして見てくださいね!
studiowa2(スタジオワニ)
長崎県東彼杵郡波佐見町折敷瀬郷1173
TEL : 050-3558-5698
mail : contact@studiowani.com