長崎の平戸近くに位置する江迎町。江戸時代には平戸藩の本陣が置かれ、平戸往還の宿場町として栄えた歴史ある地域です。
今回は江迎町三浦にある、築120年超えの歴史ある古民家住宅をご紹介いたします。
建物は2階建てで、土間を中心に部屋数が10以上ある大きな造り。1階の居住されていたスペースはそれほど傷みはないですが、2階と1階の一部は老朽化が進み、白アリ被害もあるので、そのまま住むのは難しそうです。
見た目も中身も老朽化が目立ちますが、まるで昭和にタイムスリップしたかのような、どこか懐かしさや哀愁ある佇まいです。
大きな広い土間や吹き抜けを見上げた感じが、とてもさまになっていて、夢中でカメラに納めてしまい、写真数が200枚以上といつもより多くなっております。
白アリ駆除や、リフォーム、リノベーションが必要ですが、古民家を活かしてカフェや宿などに活用していただきたい物件。もちろん解体して住宅用地として利用されても良いと思います。
目次
- 外観
- 内観(1F:居住されていたエリア)
- 内観(2F:老朽化したエリア)
ルームツアー(動画)
下の画像をクリックして動画で全体像をご確認いただけます。(※再生すると音声が流れます)
周辺環境
物件は県道から一本入ったところにありますが、スーパーまつばやまで徒歩1分というところ。その他ドラッグストアや病院も徒歩圏内で利便性の良い場所です。
前面道路は、近くの小学校の通学路にもなっています。また道幅4.6mで離合する場合は譲り合う必要があります。交通量も比較的多い印象。
建物北側エリア
歴史を感じる趣ある佇まい。大きな屋根が印象的。
まるで店舗入り口のような広い玄関。道路に面しているので、とても目立ちます。
外倉庫。後で増築された様子。倉庫内は劣化が見られます。
色んな装飾が施された軒天周りの様子。屋根の一部にドロが見られます。
上空からの様子
ピンクで囲んだところが物件エリア。広さは196坪あります。近くには高い建物もなく、山や川もあり、自然を満喫できるエリアです。
上下水道の配置図
左:上水道配管図 右:下水道配管図。上下水道共に前面道路から配管されていて、下水道は宅内も配管済みです。
建物外観
屋根は泥瓦で傷みあり。現状で雨漏りもあるので葺き替えは必須になりそう。
緑と古民家と石垣が絵になる一枚。古民家ならではの風合いを感じさせます。
東側は劣化が進んでいて、そのままでの使用が難しいほどの傷みがあります。右の写真は北西側の道路から見た様子。
物件前には平戸街道。物件の雰囲気と相まってノスタルジックな気分を味わえます。
駐車場
建物の西側に駐車場エリアがあります。
出入口は4mほどありますが、駐車場は左右が見えづらい印象がありました。
駐車場奥の庭
駐車場の奥に庭があります。こちらを整備して駐車スペースを広げる事もできそうです。
積み上がった石垣がいい味出してます。緑を植えるだけでもかなり映えそうな予感。
建物西側エリア
板張りの外壁。擦れなどありますが、比較的きれいな印象です。
ブロック塀部分には、ひび割れや補修の跡がありました。配管もガムテープで補修してありますが、使用に問題ないか確認の必要がありそうです。
建物南側エリア
南側から見た様子。
南側に外用の水栓があって、直接下の畑側の側溝に水が流れ出すようになっていました。
昔の雰囲気がそのまま残された南側の建物。
外壁は昔ながらの焼杉を使用している様子。耐久性も良いので、築120年超えでもしっかりと残っています。
南側の一段下がった畑
建物から一段下がったところに当時畑として利用されていたスペースがあります。(現在は宅地課税)
畑は石垣でぐるっと囲まれていました。昔の境界杭や木の切り株なども残されています。
家庭菜園も良いですが、お子さんの遊び場や、テーブルや椅子を置いてくつろぎスペースとしても活用できそう。これだけ広さがあると、様々な可能性があるのでワクワクします。
石垣の他にもブロックや瓦などもそのまま残されています。この風情ある石垣を残したまま、うまく活用したいですね。
建物東側エリア
東側は劣化が進んでいて、2階に見えるバルコニー部分もそのままでは使用が難しそう。
バルコニーの下は支柱で固定されていました。ブロック塀も若干斜めに傾いています。
お手製の雨戸。床下は大きく空いているので、動物侵入を防ぐ為か網が張ってありました。
通路としては1人通れるほどの広さです。
間取り
まずは、居住されていたスペースとして、反時計回りに、玄関土間① → 玄関土間② → 和室9畳(駐車場側) → 和室6畳(床の間) → トイレ → 和室6畳(玄関土間側) → 洗面台付近 → キッチン → 浴室 → 和室6畳(キッチン隣) → 南側の土間(旧台所) → キッチン奥の土間。
次に老朽化エリアスペースとして、2階から板張りスペース → 廊下・洗面台 → 廊下・トイレ・手洗い → バルコニー → 東側6畳和室 → 和室3.5畳 → 和室8畳 → 北側和室6畳 → 和室14畳 → 和室8畳 → 1階の東側廃墟エリアの順に紹介していきます。
1F 玄関土間①
玄関から入ってすぐの土間。劣化もなく綺麗に使用されていた様子。白熱電球がいい味出してます。
まるでお店のような雰囲気のある土間スペース。
建物は傾きがあり、玄関部分のドアもずれています。
梁を支柱で固定されている箇所がありました。傾きを抑えているようです。
1F 玄関土間②
玄関入って右側の土間。木製の建具や家具とも相性抜群で雰囲気の良さが感じられます。
レトロで美しい収納。天井や梁もいい味だしています。
1F 9畳の和室(駐車場側)
こちらの9畳和室は、経年劣化による傷みはあるものの丁寧に使用されていた様子がわかります。
襖は傾きのため、閉まりませんでした。
天井は補修されている様子。壁は砂壁仕様の壁紙が貼られていました。
窓からは、駐車場や前面道路が見えました。
1F 6畳の和室(床の間)
床の間がある6畳の和室の様子。丁寧に使用されているようで、比較的キレイな印象がありました。
建具と柱に大きな隙間があります。
1F トイレ
6畳の和室を出たすぐにトイレがあり、L字型の奥に設置されています。手すりもあり、ご年配の方にも優しい仕様。
トイレはTOTOのウォシュレットタイプにリフォームされているようで、比較的新しくきれいな印象。手洗い場もありました。
1F 6畳の和室(玄関土間側)
寝室として使用されていた6畳の和室。
昔ながらの黒い梁は存在感がありました。
1F 洗面台付近
洗面台からキッチンへ続く廊下の様子。
小ぢんまりした洗面器が一つ。単水栓なので、水しか出ないようです。ミラーにレトロ感が滲み出ています。
1F キッチン
丁寧に使用されていることがわかるキッチンスペース。シンクや水栓は取り替えられている様子。古めだけどそのままでも使えそう。
ガスレンジもそのまま。(動作未確認。)
換気扇もキレイ。窓横に給湯器のリモコンが設置されています。
1F 浴室
少し暗めの脱衣所。
レトロタイルが可愛らしい。浴槽はコンパクトだけど丁寧に使用されている様子がわかりました。
木枠に入ったレトロ模様のガラスも素敵。壁もカビなどもなくキレイな状態でした。
1F 6畳の和室(キッチン隣)
キッチン横にある6畳の和室。冷蔵庫が少し前方へ傾いている様子がわかります。こちらには2018年製のエアコンも設置されていました。
居間として利用されていたような場所。家具が置いてある部分は畳が沈んでいました。
1F 南側の土間(旧台所)
昔、台所土間として使われていたところ。
石で出来た味わいのある洗い場スペース。
黒い梁がアクセントになって良い雰囲気。壁は張り替えられているようでした。
南向きで日当たりも良さそう。木枠の窓から見える景色が絵になります。
1F キッチン奥の土間
キッチン奥の土間。洗濯スペースとして利用されていたようです。
台所にも続く奥の土間。木の建具がおしゃれ。
給湯器(2007年製)と洗濯機がありました。(動作未確認)
比較的明るいので、室内干しも出来そう。
雰囲気の良い土間スペース
ここからは雰囲気の良い土間スペースを色んな角度から撮影しています。ジブリの世界を彷彿させる写真をお楽しみください。
雰囲気の良い土間スペース。
千と千尋の神隠しに出てきそうな立派な佇まい。
土間から直接住居スペースへ出入りすることができます。
天窓から光が差し込む幻想的な雰囲気。
黒く重厚感ある梁や柱と、趣ある土間が特徴の古民家空間です。
2F 板張りスペース
階段を登ったところの床板スペース。ここからは老朽化が進んだエリアとなります。汚れやホコリ、白アリ被害などをご確認ください。
2F 廊下・洗面台
廊下の床が斜めに下がっている様子がわかります。
古めの小さな手洗いがありました。
2F 廊下・トイレ・手洗い
廊下の真ん中には突き出た和式トイレ。現在ではもう使用されていません。
一番北側には手洗いがありました。
2F バルコニー
木製のレトロなバルコニー部分。雰囲気の良さはありますが、老朽化が激しくそのままでの使用は難しそうです。
2F 東側6畳の和室
床の間がある6畳スペース。こちらも畳の傷みや傾き、床の沈みなどもありました。
天井に雨漏りのようなシミがありました。
2F 3.5畳の和室
6畳と繋がる3.5畳の和室。奥まっているせいか少し暗い様子。
建具一つ一つが当時のままで、おしゃれです。
更にその奥にある渡り廊下の様子。「千と千尋の…」を彷彿とさせる空間でした。
2F 8畳の和室
雰囲気の良い8畳の和室。照明のオレンジ色がアクセント。
窓の建具が良い雰囲気。
8畳和室の天井部分に白アリ被害あり。
雨漏りがあって現在では天井板を外してある状態。 シロアリの被害も上の柱まで届いているようです。
2F 北側6畳の和室
隣の和室より薄暗い印象がありました。
こちらも雨もりの影響で、天井が外されむき出しになっています。
玄関土間①に続く階段ありますが、若干急な印象。
こちらの天井部分にも白アリ被害があって現在も進行中です。
2F 14畳の和室
こちらの14畳は玄関土間②から行き来ができるようになります。
14畳の大広間の様子。天井・壁・畳など劣化が見られ、傾きや汚れなども多々ありました。タンスなどは使用される方にはお譲りいただけます。
2F 8畳の和室
南側の8畳和室。
ずいぶん長い間物置として利用されていて、かなり傷んでいます。
レトロなパーツたち
照明や配線など当時のままで、写真に納めるだけで絵になります。
1階 東側の廃墟部分
ここからは長年使用されていない部屋のご紹介です。以前は、居住スペースとして利用されていましたが、もう随分長いこと使われておらず、そのままでは住めない状態になっています。
まとめ
さて、今回ご紹介した物件はいかがだったでしょうか。
まるで120年前にタイムスリップしたかのようなノスタルジック感ある古民家物件。
劣化や白アリ被害もあるので、そのままでは使用出来ませんが、素敵な土間や、建具やパーツなど、一つひとつが素敵なので二次利用としても使えそうです。
リフォームやリノベーションで、今流行りの古民家カフェや宿、レストランとして利用するも良し(※その場合、シロアリ駆除・雨漏り工事・補強工事などが必要になる場合があります)、解体して住宅用地としてご使用されても良さそう。
江迎町は平戸に近いので、釣り好きな方にもおすすめです。また、スーパーや病院なども近く生活には困らない環境なので、利便性は外したくない古民家好きの方にもおすすめしたい物件です。
憧れの古民家暮らしをお探しの方、ぜひ一度ご検討ください。
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