波佐見町の中でも多くの窯元が集まる中尾郷。
地元では「中尾山」と呼ばれ親しまれており、400年もの歴史をもつ、やきものの聖地でもあります。
物件までは道路幅も狭く、利便性も決して良い方ではありませんが、少し出歩くだけで煉瓦造りの煙突や石畳の小道など、いたる所に”やきもの”を感じられる魅力ある場所。
陶芸に携わりたい方や都会を離れてのんびり暮らしたい方などにおすすめしたい物件です。
目次
- 外観
- 内観
ルームツアー(動画)
下の画像をクリックして動画で全体像をご確認いただけます。(※再生すると音声が流れます)
道路入り口
物件への入り口は、中尾山展望所へ続くこちらの坂道の途中にあります。道路脇にあるやきものを被せた石の柵が可愛らしい。
アメリカンな感じの7番の看板。こちらの看板を目印に下の道へ進みます。
入り口は前が見えづらく、またガードレールなども無い状態。上り坂からすぐ下り坂になっているので、まるでジェットコースターの頂上付近のような造りになっています。車で侵入される際はゆっくりお進みください。
物件までの道のり
道幅は狭く民家が密集している様子。ここから80mくらい進んだところに物件があります。
道幅は2.4mほどですが、一番狭いところでは1.9mほどしかありませんでした。車で通る際は注意が必要です。
こちらのカーポートがある家が今回ご紹介する物件です。周りには民家が連なっていますが、空き家もちらほらあるそうです。
車で走行する様子
一番狭い1.9mの場所を走行する様子。
こちらのコンパクトカーでも壁際ギリギリで難易度は高めの様子。最徐行で通る必要がありそうです。
ご検討の際は、一度現地でご確認される事をおすすめいたします。
上空からの様子
今回ご紹介するのはこちらの縦に長い形状の物件になります。下からメインの物件と旧作業場、そして一段下がったところに宅地がありました。
上水道の配置図
上水道は前面道路から引き込まれています。下水道は配備されていませんので、定期的にトイレの汲み取りが必要な地域になります。
建物(南側)
築32年ほどですが、外観は比較的きれいな印象がありました。
物件の位置
西側にある歩道から物件を見下ろした様子。
密集した集落の一角にあり、隣家とも比較的近い様子。
屋根付近から撮影すると中尾郷の一帯が見えますが、実際の室内からは倉庫の屋根や隣家の影響でこれほどの眺望は見ることができませんでした。
正面玄関周辺
玄関は南向きで気持ちの良い暖かさ。
前面道路に面していますが、車通りも多くないので気持ちよく洗濯物を干すことができそうです。
外水栓は、サビや洗い場部分にヒビなどがありました。現状有姿でのお引き渡しになりますので、成約の際は敷地内や建物内の不要物はそのままの状態で引き渡されます。
西側エリア
西側には古小屋があります。
サイディングの釘打ち部分からのヒビが確認できました。
古小屋
トタンで出来た小屋の様子。
裏側から見るとそのままでは使用出来そうにない様子でした。
屋根部分もトタンが剥がれている状態。そのままの利用は難しいようなので、解体することで西側も広く使え、駐車スペースなども確保することができそうです。
建物北側エリア
北側は旧作業場と隣接しているので、薄暗い印象がありました。途中にはキッチンからの勝手口もあります。
壁も汚れが多く付着していました。網戸も破れた状態になっています。
給湯器も建築当時のものがそのまま使用されているよう。(動作未確認)
丸いマンホールは、便槽のフタ。こちらから汲み取りが行われます。四角いフタは水道メーターボックスで、里道部分に設置されていました。
東側も隣家に接していて薄暗くなっていました。隣家との間には側溝がありました。
駐車場
車庫は間口(犬走りからカーポート柱まで)が1.8m。軽自動車をギリギリ停められそう。
玄関前にも一台停められますが、出庫する際はコンパクトカーで2〜3回切り返しを行いました。
周辺のブロック塀や植木を撤去すると、もっと使い勝手もよくなりそう。
屋根
後ほどご紹介しますが、2階の一部に雨漏り箇所があります。瓦を見てみるとズレがあったのでそちらからの雨漏りではないかと思われます。
屋根はセメント瓦で、塗装が剥がれているところもありました。
特に北側は劣化が進んでいる様子。塗装や葺き替えなどをご検討いただいても良いかもしれません。
一段下の土地
西側の細道は、倉庫部分と一段下の土地に繋がっています。人が歩けるほどの狭さなので、車での走行はできません。
倉庫を抜けると視界がひらけて見晴らし良好!気持ちの良い景色が広がりました。
一段下にある土地の様子。草木が生い茂っていているので、何か活用するには草刈りなどの手入れが必要になりそうです。
境目はちょうど赤い屋根のお宅付近になりそうです。
こちらの細道は途中から金網が設置されていました。
旧作業場(外観)
トタン壁仕様の古い作業場。
トタン部分は全体的にサビていて老朽化しています。
老朽化が進み、土台部分ももろくなっているようなのでそのままでの使用は難しいようです。また下には水路があって、現在も水が流れています。
下の倉庫は老朽化して潰れてしまっている様子。費用はかかりますが、解体すると母屋からの見晴らしも少しは良くなるかもしれません。
旧作業場(内観)
作業場には道具などがそのまま残されている様子。
室内の物もそのまま引き渡されます。石膏は廃棄するのに若干費用がかかりそうです。
レトロな雰囲気がそのままの状態で残されています。
物置の中も物がたくさん溢れていました。
旧作業場部分は全体的にかなり老朽化が進んでいます。解体することでスッキリとした印象になりそうですが、大きなトラックや重機が入らない場所なので、手間や費用もかかりそうです。
玄関
玄関入り口は和風の雰囲気がありますが、中に入ると吹き抜けの天井がある洋風な造りになっています。
高い吹き抜けが印象的な玄関。丸い照明がモダンっぽくて可愛らしい。ただ電球の交換や掃除などは容易ではなさそう。実際にホコリも付着していました。
6帖の洋室(1階)
南に面した6帖の洋室。母屋内の家具や不要物もそのままの状態で引き渡されます。
窓も2箇所あり、室内はとても明るいです。
壁や床にはキズや傷みなどありました。
古めのエアコンがありました。(動作未確認)
和室6畳(キッチン側)
キッチン側にある和室。立派な欄間が印象的。
居間として利用されていたようで畳や襖など傷みも多く見られました。
こちらの部屋にもエアコンが設置されていました。(動作未確認)
床の間側の和室から見た様子。少し奥まっているので、若干薄暗く感じられました。
和室6畳(床の間側)
室内は比較的明るい印象。 西側の窓からは玄関前の様子がよく見えました。
縁側
床の間側の和室にある縁側スペース。南側に面していて暖かく気持ちよさそう。
建て付けが悪く、若干障子が開けづらいので、調整が必要になりそうです。
こじんまりとした縁側スペース。両サイドは収納になっていました。
縁側前が車庫なので雨の日はこちらから荷物を出し入れしても良さそう。
キッチン
コンパクトなキッチンスペースで、全体的にかなり汚れや傷みが目立ちます。
使い込まれたシンク。換気扇はかなり使用感がありました。
ガスコンロやグリル部分なども使用感がありました。
壁や床なども油汚れのような跡が多数見受けられます。
北側なので電気を消すと真っ暗。日中でも照明が必要そうです。
トイレ
簡易水洗式のトイレ。少量の水を使って便槽に流すタイプのトイレになります。下水道は通っていないので、定期的に汲み取りが必要になります。
洗面スペース
洗面台も古い印象。洗面部分は比較的キレイでした。
浴室
洗濯機置き場と浴室の様子。浴室は在来工法に見えますが、システムバスが設置されていました。
浴槽も使用感はあります。水栓はサーモスタットもあるので温度調節が出来そう。
ガス給湯のレバーのようです。現在使用できるかは未確認です。
全体的に汚れが多いですが 水アカなどは掃除で対応できそう。
階段
階段横の壁部分。穴が多数あり。
2階へ続く階段。回り階段になっていて、大きな窓があり明るく感じられます。壁には黒ずみや壁紙に隙間などがありました。
階段を上がると渡り廊下がありました。
渡り廊下から吹き抜けのある玄関を見下ろした様子。柵がレトロで雰囲気が良い。廊下を挟んで3つ部屋があるので子供部屋としてもご利用いただけそう。
和室6畳(2階)
2階で唯一の和室になります。物を撤去すると広く使えそう。
こちらが先ほど紹介した雨漏り部分になります。冒頭の屋根部分で紹介した瓦のズレによる影響かとは思われますが、一度確認した方がよさそうです。
和室の窓の奥はバルコニーになっています。
外から見たバルコニーの様子。小さめですが物干し竿も設置されていました。お布団を干したりするのにもよさそう。
6帖の洋室(2階)
可愛らしい壁紙の部屋。収納はないけれどその分広めに感じました。
壁は黒ずみ等あり。南側の窓は上部にありますが、明るさはありました。
4.5帖の洋室
こじんまりした4.5帖の部屋。タンスなどの大きな荷物をとると子ども部屋にも良さそう。
狭めながらも窓が2箇所あるので圧迫感は感じられませんでした。こちらには押し入れ収納もあります。
ドアは白く擦れている状態でした。
魅力的な中尾郷
物件から細道を登り切ったところに展望台があり、中尾郷の風景を愉しめます。
中尾郷は歴史あるやきものの里で、春陶祭、秋陶祭といった中尾郷の窯元さんを巡る陶器祭りが人気のエリアです。
なかでも江戸時代の陶磁器大量生産を可能にした、世界第2位の巨大登窯「中尾上登窯跡」は、白岳山麓にあって長さは160メートルもあり圧巻です。
町中を散策すると、石畳の小道や味わいのある煉瓦造りの煙突など、昔ながらの懐かしい風景がいたるところに広がっています。
まとめ
今回の物件はいかがだったでしょうか。
物件までは道路幅も狭く、老朽化した作業場や荒地付きという難易度高めの物件ですが、母屋はまだまだ十分に活用できそうなこちらの物件。少しずつ修繕したり、不要物の撤去や解体をしながら自分好みの住まいにカスタムする楽しさもありそうです。見晴らしの良い立地なので、工夫すれば面白い物件にもなりそう。陶芸の里「中尾郷」に居を構えてやきものに携わりたい方や、都会を離れてのんびり暮らしたい方などぜひ一度ご検討ください。